よくある質問

Q.大学院進学の意味は何ですか?

A.将来化学系企業において専門性を生かした職業につきたい学生は、大学院への進学を推奨します。学生卒業では、化学の実力、とくに実験力、情報収集力や考察力など弱いために修士課程においての研究を真剣に行うことが重要です

Q.女子学生の割合はどうですか

A.学生に占める女子は、3~4割程度です。理学系なので工学系より多くなる傾向があるようです。

Q.実際どれくらいの人が化学に携わっているの?

A.物質を扱う分野ですので、広くとらえれば膨大になります。総務省が告示する「日本標準産業分類」によると、化学工業分野は「農業・林業」「金融業・保険業」といった大きく20の業種に分けた場合の「製造業」に分類され、その中でも化学物質を中心に取り扱う「化学工業」「プラスチック製品製造業」「ゴム製品製造業」だけでも90万人弱の人たちが携わり(徳島県の人口は72.7万人)、中国・アメリカに次いで世界第3位となる42兆円の出荷額を誇っています。日本の主力産業と言われている自動車業界の出荷額は65兆円ですから、その3分の2となる化学産業も日本の産業界を大きく支えています。さらに、製品出荷額から原料費・設備費を差し引いた「付加価値額」で比較すると、自動車業界18兆円に対し化学産業界は17兆円とほぼ同じであり、今後日本の化学産業がより付加価値の高い製品を作るべきという大きなモチベーションになっています。さらに、上記分類の製造業には「医薬品産業」が含まれていません。これを加味すると日本の化学が実は大きな産業である事が分かるかと思います。
以下の資料は経済産業省が発表した2016年の資料を基に日本化学工業協会が作成し、2020年1月に経済産業省で発表したものです。(Link)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/kagaku_wg/pdf/2019_01_04_01.pdf

Q.応用化学コースとの相違点はどこですか

A.自然科学系化学講座の他に化学系として同じ理工学に化学工学を重視した工学系人材を育成する応用化学コースもあります。化学の原理や法則などのメカニズム研究と分子の合成を目指す点は、理学系化学と工学系応用化学は同じです。ここでは、環境応用化学と精密有機合成化学についての教育と研究が特色です。応用化学コースは、工業生産のための化学工学が特徴です。理学系化学の出身者は、生産現場より研究職を目指す者が多いのも特徴です。
 高等学校や中学校理科教員の一種免許が取得できます。(大学院における専修免許は申請中です)教員不足の中、理科教員として活躍することも「やりがいのある仕事」の選択です。

Q.海外で作った方が安いのだから、日本ではもう化学やっても意味ないんじゃないの?

A.「レジ袋の有料化」と言われてますが、いくつかのスーパーではかろうじて「無料」でついていますね。皆さんが直接目にすることの多いこういった汎用品に関しては人件費の安い海外製品が有利かもしれません(実際には製品を輸送する費用があるので、原料を買って来て日本で生産する、別の製品の副生成物を原料として利用するなど日本で生産するのに有利な点は幾つかあります)。しかし、皆さんも身に着けているかもしれない「機能性衣類」や、コストの面で実用化に遠い「生分解性プラスチック」などといった機能性素材は、世界中で需要があります。日本はこういった最先端分野で強みを発揮し、世界をリードできる存在になるべく国もバックアップしています。

Q.理科教員になることは難しいですか?

A.専門の化学の授業の他に卒業単位以外の教職に関しての特別な授業を多く履修します。4年時の重要な時期に教育実習もありますので、教員を希望する学生は教員志望を真剣に考えていることが大切です。中学教員は、他にも実習があり、心構えが必要です。企業への就活時期と教員採用準備などが重なっていることにも注意が必要です。中途半端な気持ちでは、どちらつかずになりかねないため難しくなるでしょう。真剣に教員を目指してください。

Q.環境問題が騒がれている中、化学に将来性はあるの?

A.古くは水俣病をはじめとする公害問題、30年以上の年月を経てようやく解決に向けた取り組みが始まっているPCBやフロン、最近ではマイクロプラスチック問題など化学物質が関わる問題が多いため、化学にネガティブなイメージを持っているかもしれませんが、化学はそれだけ身近な学問です。今でも冷蔵庫やエアコンが使えるのは、昔使われていたフロンの代わりとなる物質を使っているからです。このようにして、昔からあるものでも形を変えながら発展、或いは、機能性衣類といった付加価値を高めた素材を開発するなど、化学はまだまだ発展途上にあると言えます。

Q.高専、学部2年生や短大から3年時編入して、授業についていけますか

A.編入試験は「化学」が選択できます。大学教養教育程度の化学の基礎知識があれば授業について行けます。学生実験等ですぐに同期と仲良くなれます。募集要項など詳細は、このHPの「院試・編入・資格」の入試情報を見てください。化学が好きなやる気のある学生を待っています!

Q.高校では基礎化学しかやらなかったけど、化学に進学して大丈夫?

A.多くの人が似たような名言を残しています。「ものを学ぶのに遅いことは無い」「何事も始めるのに遅すぎるということは無い」〜〜〜。
もちろん努力は必要ですが、入学してからでも十分間に合います! 大学の講義も、化学業界全体から見ると「専門的な知識を習得するための基礎」を学んでいます。卒業研究でようやく世界最先端の研究に触れ、大学院に進学する学生はそこで新たなことを見出して、社会に巣立っていきます。もし、高校で化学を選択していなかったという理由で、化学やその関連分野に就職することを諦めているのなら、身近な先生に相談して見てください。
〜〜〜なりたかった自分になるのに、遅すぎるということは無い(George Eliot)〜〜〜